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★今後、数十年の使用に耐えるように、機能の点検と再生をしました。
極めて貴重な100年近く前の博物館級のフクシマピアノです。
それを15-20年ほど前に完全オーバーホールと全塗装を施したものです。
伝統の名品に造詣の深い方のみご検討をお願い致します。
■誤解防止のため試弾歓迎
■申し訳ありませんが、当方、高齢のため自分の命の保証が出来ません(涙)。よって長年の保証は出来かねます。それでも後何十年かは使用に耐えるように点検を済ませております。
福島ピアノは大井町の東京楽器研究所で作り出されたものである。この研究所の所長であった福島琢郎氏(1886年-1958年)は、ピアノの技術者として飛び抜けたインテリであった。彼は早稲田大学の商学部を卒業後、日本楽器(現・ヤマハ株式会社)に入社しているが、当時の農商務省と音楽学校の推薦で渡米し、スタインウェイで2年間ピアノの製造技術を学び取ったが、帰朝後、理論と技術が噛み合わず、日本楽器を飛び出している。福島氏の父親は三井の重役で、当時のエリート中のエリートであったため、三越の重役その他の出資を得、さらに実際の技術者として、後にヒロタピアノを作った日本楽器の広田米太郎を招いて、1918年に株式会社東京楽器研究所を設立したのである。名前は研究所であったが、実際はピアノ工場で、福島氏は音楽学校の顧問もしていたので、その製品は品質も優れていたが、販売機構を持たなくても飛寒ように売れていった。当時のヤマハのアップライトは最低500円であったが、関東のメーカーのものの方が値段が高く、ニシカワが650円、フクシマが最も高く800円だったという(当時の大卒サラリーマンの初任給(月給)は、50~60円)。製造台数は総数でわすが500台程度であったが、この研究所で技術を習得した多くのピアノ技術者たちが、のちの関東地方のピアノの製造を支えたのである。
★このピアノの検索は『福島 ピアノメーカー』でしてみてくだい。出て来ます。
★すでにグランドピアノを所有の方々がこのピアノを弾かれたらみんな驚かれます。
そんな凄いピアノです。
長い間、ピアノに携わっていて、初めて見たピアノ。おそらく国内での残存台数は数台だけ?だと思われる。
★トーンエスケープが Y社 などよりも何十年も早く採用していた。
極めて珍しい構造で、畳み構造の譜面台を開けると、カラクリのようにトーンエスケープが自動的に開きます(笑)。
★鍵盤の蓋がスピネットタイプのように折り畳んでしまい込むようになっている。
10年から20年くらい前に
★白鍵盤は大型動物の骨からアクリルに貼り替えている。
★弦も全交換してある。
★アクション部も骨格以外は全交換してある。
★フェルト類も全交換してある。
★本体も漆器みたいなもので全塗装しなおしている。
サイズ 高さ 129cm 幅 154cm 奥行 66cm 重さ 推定 220Kg 支柱 建て売り戸建てのような柱5本 製造番号 12290番
★
■1日目
*内部を10-20年前に全交換の痕跡があるため、さっそく整調と仮調律実施(2021 6月)。
全体的にコンディション上々
■2日目
*鍵盤剥がし
経験上、鍵盤の下のホコリの量でどれくらい経年しているか分かるのだが、これは指でなぞって指先に埃が付く程度。よって前回の分解から10年程度だと思われる。
*鍵盤の木材は昔のをそのまま使用。
白鍵盤はアクリルに貼り替えてある⇒磨き
黒鍵の材質はプラスティックのよう⇒磨き
白鍵盤も黒鍵盤も鉛のバランスを埋め込んでいる(1-2個)のも多くみられる。
こういうのは廉価版モデルにはあまり見られない。
*鍵盤に付いているフェルトはまだ新しい。10年程前に全交換だと思われる。
*鍵盤を刺す金属棒(フロント&バランスピン)に刺しているフェルトはまだ新しい。
*チューニングピンはサビが無いが、それでも一応かんたんに研磨。
*鍵盤を刺すピンはサビが無いが、それでも一応かんたんに研磨。
*鍵穴研磨⇒サビの程度から前回のクリーニングから10年少々だと思われる。
*天板の奥と手前を研磨⇒塗装がいいので両方ともピカピカだが、よーく見ると小傷も散見。
基本、補修はしないが筆で色落としをする場合もある。
*両足の付け根の四方を囲む飾りの装飾木片が接着の劣化から剥がれているため再接着と加圧。
両方とも背面の木片が1個ずつ不足しているので、パテ埋めで代用する予定。
*天板の蝶番研磨⇒もともとサビが無いので簡単に研磨のみ。
研摩もし過ぎるとメッキが剥がれて錆びやすくなるので、そこそこで終了。
*弦は綺麗なので研磨せず。ホコリ飛ばし程度。
*アクション部分を外して、ホコリ飛ばしと、掃除と、研磨。
アクション部の骨組み以外は新品なので調子は上々。
★驚いたのは親板(ピアノ本体の両側の大きな板のこと)の厚さが、最近のアップライトPの倍近くあるということ。ヤマハの80年前のアップライトPよりも厚いです。
■3日目
*両足の付け根の四方を囲む飾りの背面はパテ埋めして同系色を着色することにした⇒パテ埋めして乾燥中。
*2本ペダル研磨⇒左側は再生後の販売で付けていたビニール袋を被っていたまま。ということは再生後、販売されてあまり使用されていない証拠。右側は普通に研磨。サビは少なかった。
*本体内部の下部、油さしと雑巾がけとホコリ飛ばし。
*本体の後ろ側を強烈なエアーでホコリ飛ばしと雑巾がけ。支柱は戸建ての柱のように太い。
*下前板、窓枠状の部分は折り重なって接着してある部分がある。そこが経年のため接着力が弱くなっていたので再接着⇒加圧中。数日放置して乾燥を待つ。
*下前板、再塗装はカシュー塗装か? 極めて厚い塗膜だが、経年により角等に小さな欠けがある。後日、爪楊枝にて色落とし予定。
■4日目
*両足の付け根の四方を囲む飾りの装飾木片の裏側⇒パテ埋めして乾燥後⇒研摩⇒着色済み⇒乾燥中。痕跡残りが、裏面のため目立ちません。
*鍵盤蓋に長い蝶番が1個、小さい蝶番が3個ある。小さい蝶番を外して研磨⇒もともと綺麗だったがビッカビカ!
*鍵盤蓋の鍵穴を研摩⇒もともと綺麗だったがビッカビカ!
■5日目
*鍵盤蓋の長い蝶番、外して研磨。ネジの数は通常の国産の倍ほどあり、手間がかかりました。もともと蝶番は綺麗だったが研磨して、外したネジも全部研摩して取り付け済み。
*鍵盤蓋、研磨せず拭いただけ。
というのもこのピアノの塗装が特殊な為(おそらくカシュー塗装)、通常の研磨液やクリーニング液では逆に曇りが出てよろしくない。結果的には乾いた綺麗な布で拭くしかないという結論に至る。
*鍵盤蓋の形状と動きは、通常のスピネットタイプのようで、これまで見たこともない構造です。面白い!
*上前板をホコリ飛ばし⇒
へんに研磨するよりそのままの方が光沢がある。
以上にて調律、整調、クリーニング、色付け、研磨、全てを終了いたしました。
長々とお読みいただきましてありがとうございます。
★新規の方、大変良いの評価が9割以下の方が落札されても削除する場合があります。
★いかなる場合も返品返金は出来ません。
★クレーマー、またはそれに類する方は入札をしないで下さい。
★基本的に試弾して頂いて合意の上でご購入が基本です。
遠隔地からの落札で、思い込みや、思っていたのとは違う、というクレームには対応しません。
★トコトン整備して万全の態勢で出品しておりますので、出荷後は搬送時や保管時に湿度過多(特に梅雨時や台風シーズン)などにより不調になったとしても、一切責任は負いません。そういった万一の初期不良を起こしたことも鑑みて初回の調律代を差し引いた程度の値段設定にしております。★出品者の私が高齢者につき、自分の余命さえわかりません。よって出品の保証はできません。
ピアノはデリケートなペットと同様ですから、ちょっとした湿度で不具合を起こす可能性があります。とはいえあくまで『ちょっとした不調』であり、『壊れた』わけではありません。良心的な調律師さんに診ていただければ調律代金にコミコミかまたは数千円の追加で治る程度です⇒
⇒悪質な調律師にかかれば『ピアノを返品した方がいい』だの、『追加を払えば自分がもっといいピアノを世話する』だのと言って、落札価格の5倍以上もするピアノを押し付けられるということもありました。
★品ですので、部品交換や徹底的な整備をすれば際限がありません。その場合は新品を買った方が安くつく場合もあります。
★普通に弾けるようにクリーニングと整備は済ませておりますが、あくまで品です。値段相応だということをご理解願います。
★お願い⇒
ピアノ教室の先生は常々ご自宅でグランドピアノを弾いています。そんな先生を一緒に連れて来られて、当方の十数万円程度のピアノを試弾してもらってピアノの様子を伺うということはご遠慮を願います。
⇒車に例えるならば常々高級大型車に乗られている方に、急に軽トラックに乗ってもらって『コンディションはいかがでしょうか?』と問うても、『最高です』とは答えるはずがありませんので(笑)。
■以上、僭越ながら長々と申し上げましたが、ネットでピアノを購入すると、よくある事がらとリスクについて説明申し上げました。ご検討のほどを宜しくお願い致します。
(2023年 2月 26日 追加)
★底の部分の鉄の車輪、左奥側の転がりが悪いので外してネジを付け替え。
以前にも車輪の穴の位置を変えて、車輪を付け替えた痕跡がアリ。結構大変な作業です。